一発試験ロードマップ

普通免許の合格率(一発試験、自動車教習所)

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普通免許の合格率については運転免許統計に掲載されている以下のデータがよく引用されています。カッコ無しがMT免許とAT免許を合計した普通免許全体の値で、その中からAT免許の値だけを抽出したのがカッコ内の値です。

※参考資料:運転免許統計
※平均受験回数は合格率を元に書き加えたものです
普通免許試験の合格率
受験者数 合格者数 合格率 平均受験回数
平成18年(2006年) 2245994
(995958)
1601179
(651977)
71.2%
(65.4%)
1.4回
(1.5回)
平成19年(2007年)
(新法と旧法合計。中型免許が新設された年)
2103014
(1005829)
1442503
(639538)
68.5%
(63.5%)
1.4回
(1.5回)
平成20年(2008年) 1867799
(946109)
1253279
(612382)
67%
(64.7%)
1.4回
(1.5回)
平成21年(2009年) 1778798
(922717)
1217811
(604423)
68.4%
(65.5%)
1.4回
(1.5回)
平成22年(2010年) 1791487
(967079)
1234435
(631587)
68.9%
(65.3%)
1.4回
(1.5回)
平成23年(2011年) 1759421
(983863)
1227031
(661806)
69.7%
(67.2%)
1.4回
(1.4回)
平成24年(2012年) 1796919
(994316)
1250048
(668055)
69.5%
(67.1%)
1.4回
(1.4回)
平成25年(2013年) 1812178
(1031304)
1269407
(695199)
70.0%
(67.4%)
1.4回
(1.4回)
平成26年(2014年) 1769880
(1020752)
1267918
(705564)
71.6%
(69.1%)
1.3回
(1.4回)
平成27年(2015年) 1765315
(1048413)
1277150
(726216)
72.3%
(69.3%)
1.4回
(1.4回)

上記のデータには普通免許に関わるすべてのデータが合計されているため、さまざまな背景の受験者が含まれています。例えば自動車教習所の卒業者、一発試験受験者、学科・技能試験が免除される一部の失効者、外国免許切り替え者などです。

この失効者や外国免許切り替え者などを除外し、自動車教習所卒業者と一発試験受験者に関するデータだけを抽出したのが以下の結果です。

自動車教習所で普通免許の教習を受けた人のデータ

以下の表は自動車教習所の普通免許課程を卒業した人と、卒業後に運転免許試験場で適性試験、学科試験に合格した人のデータです。普通二輪免許(小型二輪を含む)と大型二輪免許、大型特殊の既取得者で学科試験は免除される人も含んでいます。先ほどとは異なり、カッコの無いものがMT免許、カッコ内がAT免許の値です

自動車教習所に関する詳細なデータが非公開なため、教習所卒業者の運転免許試験場における合格率、教習所内の検定試験合格率、退所率などは出すことができませんでした。

※卒業と合格の年差等の影響で合格者数の方が多いことがあります
普通免許の教習卒業者数と合格者数
自動車教習所を卒業した人 自動車教習所を卒業後、運転免許試験場で合格した人
平成16年
(2004年)
822501
(585039)
862742
(577825)
平成17年
(2005年)
768297
(592340)
756724
(595561)
平成18年
(2006年)
720766
(602119)
722975
(587582)
平成19年
(2007年)
680949
(598260)
685440
(585444)
平成20年
(2008年)
603906
(586165)
605713
(576883)
平成21年
(2009年)
570555
(585847)
580909
(573216)
平成22年
(2010年)
556442
(605207)
561568
(595631)
平成23年
(2011年)
536167
(617890)
526004
(622443)
平成24年
(2012年)
533095
(635947)
541710
(626756)
平成25年
(2013年)
524955
(650800)
523136
(646064)
平成26年
(2014年)
504117
(664016)
505576
(649055)
平成27年
(2015年)
484433
(673184)
493249
(665996)

受験してみるとわかると思いますが、一度の試験で合格しているのは6~7割前後の人達です。意外にも多くの人が不合格となっており、1~3回受験して合格するのが普通となっています。

上述した通り、教習所ごとの合格率などのデータは一般には公開されていないため、「◯◯教習所は合格しやすい」ということはわかりません。しかし、ごく一部の自動車教習所では自校卒業者の本免学科試験合格率をホームページなどで公表しています。当然、近隣の教習所と比較し良好なのでしょうが、それをみる限り80%前後の所が多いようです。

合格者が一定の基準に達していない教習所は、公安委員会に指定(公認)が取り消されてしまいます。つまり廃校です。そのため、教習所ごとの合格率にそれほど大きな差はないと考えられます。

一発試験の合格率

一発試験とは、運転免許試験場で直接、学科試験と技能試験を受験する方法のことです。自動車教習所に通わなくても免許を取得できるため大幅に費用を節約することも可能です。(一発試験の内容についてはこちらに詳しく書いています)

運転免許試験場では、この一発試験についての合格率などのデータは集計していないとのことです。運転免許の統計にもそれらしき記載はありませんが、受験者数や合格者数をデータから算出できるので、そこから合格率を知ることができます。

計算の元となる資料の1つに、普通免許試験合格者の内訳というものがあります。カッコの無いものがMTとAT免許の合計で、カッコ内がAT免許のみの数値です。

普通免許試験の合格者の内訳 平成27年(2015年) 
合格者の分類 合格者数
(AT限定免許者数)
指定自動車教習所を卒業した合格者 1159245
(665996)
技能検査の合格者 977
(716)
指定自動車教習所卒業者でも技能検査合格者でもない合格者 学科試験と技能試験を受けて合格 19978
(13137)
学科試験は免除で技能試験だけを受けて合格 4605
(2871)
学科試験と技能試験免除で合格



失効6ヶ月以内 59494
(26384)
失効後6ヶ月をこえ3年以内 3616
(1541)
特定取消処分者 79
(27)
外国免許切り替え者 29147
(15538)
合計 1277150
(726216)

試験場で「技能試験」を受けることが一発試験だと仮定してみますと、表の「技能検査の合格者」、「学科試験と技能試験を受けて合格」、「学科試験は免除で技能試験だけを受けて合格」の3つが当てはまります。

「技能検査の合格者」とは自分の住所地以外の都道府県の試験場で技能試験を受験し合格した人です。通常そのようなことはできませんが、届出教習所という所で教習を受けていると、その教習所の住所地で受験が可能になります。

「学科試験と技能試験を受けて合格」した人は、文字通り学科と技能の両方を受験したことになりますが、技能試験だけのデータを抽出することができないので学科試験のデータも含まれています。

「学科試験は免除で技能試験だけを受けて合格」というのは、普通二輪(小型含む)・大型二輪・大型特殊免許の既取得者数の合計です。

他に試験受験者総数と指定校卒の普通課程卒業者のすべてが本免学科試験を受験した場合の人数、特定失効者や外国免許切替者の学科試験・技能試験は免除と扱い申請のみで済むものとして計算します。

((技能検査合格者+学技試験合格者+技能試験合格者)÷(受験者総数-指定自動車教習所卒業者-学科試験合格者-(特定失効者合格者-一種の場合の二種特定失効者)-特定取消処分者-外国免許切替合格者))×100=合格率(%)

以上の結果、2015年の普通免許一発試験の合格率は5%になります。全体の割合としては、一年間の普通免許取得者の約2%(25560人)、50人に1人が一発試験で取得していることになります。

全国の各運転免許試験場ごとの合格率や、仮免学科試験、仮免技能試験、本免学科試験、本免技能試験など個別の合格率はデータ不足により出すことができませんでした。

※関連ページ:
運転免許試験の合格率
MT免許とAT免許の取得割合
 
普通免許と中型免許の間に準中型免許が設置されることになりましたが、おそらく普通免許の一発試験合格率には影響を与えることはなく、中型免許の合格率だけが上昇するかもしれません。理由としては2007年に中型免許が設置された時に直近の上位免許である大型免許の一発試験合格率が上昇したのに対して、下位免許である普通免許には何も変化がなかったということがあるからです。

過去の普通免許一発試験の合格率

年によって合格率は大きく変化するのかを調べてみると、毎年同じような値であることがわかりました。合否の判断は採点基準に添い、安定して運用されているようです。

普通免許一発試験の合格率
受験者数 合格者数 合格率
平成17年
(2005年)
679853 40025 5.8%
平成18年
(2006年)
673452 40965 6.0%
平成19年
(2007年)
691968 39782 5.7%
平成20年
(2008年)
643164 36119 5.6%
平成21年
(2009年)
592115 33405 5.6%
平成22年
(2010年)
583672 31078 5.3%
平成23年
(2011年)
555460 28670 5.1%
平成24年
(2012年)
574642 27958 4.9%
平成25年
(2013年)
563565 27339 4.9%
平成26年
(2014年)
515018 26558 5.2%
平成27年
(2015年)
515353 25560 5.0%

普通免許(MT免許)とAT免許の一発試験合格率

MT免許とAT免許を分離すると次のようになります。カッコの無いものが限定無しの普通免許(MT免許)で、カッコがあるものはAT限定免許の数値です。

※合格率は学科試験と技能試験を合計したものです
普通免許(MT免許)とAT免許の一発試験合格率
受験者数 合格者数 合格率
平成17年 
(2005年)
327321 
(352532)
22430 
(17595)
6.8% 
(4.99%)
平成18年
(2006年)
324661
(348790)
21619
(19346)
6.6%
(5.5%)
平成19年
(2007年)
319575
(372393)
20864
(18918)
6.5%
(5.1%)
平成20年
(2008年)
299837
(343327)
17237
(18882)
5.7%
(5.4%)
平成21年
(2009年)
268489
(323626)
15442
(17963)
5.7%
(5.5%)
平成22年
(2010年)
239903
(343777)
13217
(17861)
5.5%
(5.1%)
平成23年
(2011年)
212705
(342755)
12525
(16145)
5.8%
(4.7%)
平成24年
(2012年)
240894
(333748)
11417
(16541)
4.7%
(5.0%)
平成25年
(2013年)
216263
(347302)
11414
(15925)
5.3%
(4.6%)
平成26年
(2014年)
198170
(316848)
9937
(16621)
5.0%
(5.2%)
平成27年
(2015年)
183620
(331733)
8836
(16724)
4.8%
(5.0%)

以上の合格率から、一発免許や一発試験と呼ばれながら、ほとんどの人が一発では合格できず、複数回受験するのが普通であることがわかります。

※関連ページ:
MT・AT免許の取得割合、一発試験合格率等データ
一発試験又は自動車教習所で普通免許を取得・再取得する流れ
運転免許・一発試験関連の法改正など
技能試験のポイントと練習場所・練習方法

合格率についての注意

上記のデータは免許統計で公表されている合格率(平成27年:72.3%)よりも実際の一発試験の合格率に近いものを出すためにした概算ですので、「おおよそこんなものかな」という感じで眺めてください。一部のデータ不足などにより若干の誤差があります。おそらくはもう少し高い合格率になると推定されます。

また、上述の通り、この合格率は運転免許試験場で「学科と技能試験の両方を受けた人」と「学科は免除で技能試験だけを受けた人」のデータが合計されています。技能試験だけの合格率ではなく、学科と技能試験を順番に受けた結果の合格率なので、当然のことながら1つ1つの試験の合格率はもう少し高くなります。

実体験による府中試験場の一発試験合格率

参考として、サイト管理人が東京の府中運転免許試験場で一発試験を受けた時の合格率を載せておきます。

学科試験では仮免が約30%、本免では約50%の人が合格となっていました。
技能試験は仮免と本免で計3回受けましたが、見た限りの平均で仮免が約30%、本免は約50%の合格率でした。

仮免合格者は最初に集合した技能試験室で全員の試験が終わるまで待機し、不合格の人はそのまま帰ることになります。ですから残った人数を見れば合格率がなんとなくわかります。

本免技能試験も不合格であればそのまま帰りますが、合格したら技能試験室で待機します(例外あり)。この時にも仮免合格者が待機しているので、その平均を出すと約30%になったわけです。MT車の方が若干合格者が少ない感じはありましたが、ほぼAT車と同じぐらいです。

本免技能試験の合格率は約50%と書きましたが、これは私が乗った試験車両だけのことですので、あまりあてになりません。受験者はMT車とAT車数台に分乗して実施するため、試験が始まれば他の車両のことはわかりませんし、合格した人は特定教習が受講済みなら技能試験室で待機して、取得時講習受講者は待機せずに帰るので正確には知ることができません。

以上の体験から、仮に「すべて試験を1日で受験」したとして、府中試験場での一発試験の合格率を出すと2.2%、44人に1人が合格するということになります。合格までの平均受験回数は仮免学科が3~4回、仮免技能が3~4回、本免学科は2回、本免技能は2回という計算になります。